べんりワザ・AIをじょうずに使う

AIへの質問のしかた

同じ質問でも、聞き方しだいでAIの答えの質は大きく変わります。「やりたいこと・現状・コード」の3点セットで聞くコツ、エラーの聞き方、コピペで使える質問テンプレを紹介します。

AIチャットは聞き方しだいで、返ってくる答えの質が大きく変わります。コツはたった1つ、「材料を渡す」こと。やりたいこと・いま起きていること・実際のコード、この3つを貼るだけで、答えの的確さが見ちがえます。この記事ではそのコツと、コピペで使える質問テンプレを紹介します。

コツ1:「やりたいこと・現状・コード」の3点セットで聞く

いちばん差がつくのがこれ。「動きません、どうすればいいですか」だけでは、AIも当てずっぽうで答えるしかありません。

【やりたいこと】ボタンを押したら文字の色が変わるようにしたい
【いま起きていること】ボタンを押しても何も変わらない
【コード】
(ここにHTMLとJavaScriptを貼る)

この形で聞くと、AIはあなたのコードに合わせた直し方を返してくれます。一般論ではなく「あなたの12行目がこうなっているから」と答えてくれるのが、材料を渡す最大のメリットです。逆に「動きません、どうすれば?」だけだと、考えられる原因を10個並べた長い一般論が返ってきて、読む方が大変になります。

コツ2:エラー文は訳さず、そのまま貼る

エラーが出たときは、英語のエラーメッセージを一字も変えずコピペするのが正解です。自分で要約したり日本語に訳したりすると、かえって手がかりが消えてしまいます。

このエラーが出ました。原因と直し方を教えてください。

Uncaught ReferenceError: changeColor is not defined
    at script.js:5

(ここにscript.jsの中身を貼る)

エラー文の読み方そのものは、こちらで解説しています。

べんりワザエラーが出ても、あわてないエラーが出ても、あわてない——エラーメッセージの読み方・調べ方

コツ3:「初心者向けに」と注文をつける

AIは相手のレベルが分からないと、専門用語まじりで答えてきます。そこで注文を最初につけておくと、説明の丁寧さが変わります。

  • プログラミングを始めたばかりの初心者に分かるように説明して」
  • 専門用語を使うときは、その意味も一言そえて
  • 一度に全部ではなく、一歩ずつ教えて」

この注文は会話の最初に一度書けば、そのあともだいたい効き続けます。

コツ4:分からなかったら、続けて聞く

AIチャットの最大の強みは会話が続くことです。答えが難しかったら、そこで終わりにせず聞き返しましょう。

  • 「いまの説明の『引数』ってなに?」
  • 「もっとかんたんな言葉で言い直して」
  • 「たとえ話で説明して」

検索とちがって、分からない言葉を分かるまで掘り下げられるのがAIの真価です。1回の答えで理解しようとしなくて大丈夫。

逆に、直って動いたときも「なぜこれで直ったの?」と一言聞いておくと、答えがそのまま復習になって、同じミスをしなくなります。

コツ5:話題が変わったら、新しいチャットで聞く

1つの会話が長くなると、AIは前の話に引きずられて、今の質問とズレた答えを返すことがあります。エラーの相談が片づいて、次はぜんぜん別の質問——そんなときは新しいチャット(新しい会話)を作って聞き直しましょう。「1つの会話に1つのテーマ」を意識するだけで、答えの迷走がぐっと減ります。

悪い質問・良い質問の対比

同じ困りごとでも、渡す材料の量で答えが変わります。ビフォーアフターで見ると差がはっきりします。

こう聞くと弱いこう聞くと強い
「動きません」「ボタンを押しても色が変わりません。押したときのConsoleにこのエラーが出ます」+コード
「CSSが効きません」「この h1 に赤を指定したのに黒のままです」+HTMLとCSSの両方
「もっといい書き方ある?」「初心者向けに、読みやすさの観点で直すところを3つ教えて」+コード
「余白の付け方を教えて」「カードの中の文字とふちの間に余白を入れたい。marginとpaddingのどちらを使う?」

ポイントは「何を期待していたか」と「実際どうなったか」を分けて書くこと。この2つがそろうと、AIは差分から原因をしぼれます。

学習で効くAIの使い道

エラーの相談以外にも、学習中のAIには得意分野があります。「答えを出してもらう」以外の使い方を知っておくと、伸び方が変わります。

  • 自分のコードを見てもらう——書き終わったコードを貼って「読みやすさの観点で直すところを3つ」と頼む。人にレビューしてもらう体験を、いつでも無料で受けられます
  • 練習問題を作ってもらう——「display: flex を使う練習問題を、かんたんな順に3つ作って。答えは最後にまとめて」。教材を探すより早く、自分の弱点にぴったりの問題が出てきます
  • たとえ話で説明してもらう——概念がつかめないときの最短ルート。「相対パスと絶対パスの違いを、住所のたとえで説明して」
  • 英語の情報を読む手伝い——公式ドキュメントを貼って「初心者向けに要点を3つで」。英語だからと避けていた一次情報に手が届きます
  • 学ぶ順番の相談——「HTMLとCSSはひととおり書ける。次に何を学ぶと作れる幅が広がる?」
べんりワザ何から始めればいい?学ぶ順番の地図学ぶ順番そのものの地図は、こちらの記事にまとめてあります3

AIに聞かないほうが速いこと

一方で、AIより自分で調べたほうが確実な話題もあります。

  • 最新バージョンの仕様・新機能——学習した時点より新しい情報は持っていません。公式ドキュメントが確実です
  • 料金や無料枠——変わりやすく、古い金額を答えがちなところ。必ず公式の料金ページで確認します
  • エラーの答えそのもの(コピペで済ませたいとき)——コピペで直すと同じエラーで何度もつまずきます。「なぜ直ったのか」まで聞くのが結局いちばん速い道です
べんりワザAIの答えを鵜呑みにしないAIの答えが間違っているときの見抜き方は、こちらの記事へ

コピペで使える質問テンプレ

よく使う場面の型をまとめました。( )の中を自分の内容に置きかえて使ってください。

コードの意味を知りたいとき

このコードが何をしているか、初心者向けに1行ずつ説明してください。

(ここにコードを貼る)

書き方を知りたいとき

HTMLとCSSで(画像を丸く表示)したいです。
初心者向けに、書き方と意味を教えてください。

2つの違いを知りたいとき

(marginとpadding)の違いが分かりません。
初心者向けに、違いと使い分けを、たとえ話で教えてください。

答え合わせをしてほしいとき

(自己紹介ページ)を作りました。
おかしいところや、もっと良くできるところがあれば、
初心者に分かる言葉で教えてください。

(ここにコードを貼る)

練習問題を作ってほしいとき

(display: flex)の練習問題を、かんたんな順に3つ作ってください。
初心者向けで、答えは最後にまとめて書いてください。

期待と結果がずれているとき

【期待していたこと】(見出しが赤くなる)
【実際に起きたこと】(黒のまま変わらない)
【試したこと】(保存し直した/再読み込みした)
【コード】
(ここにHTMLとCSSを貼る)

まとめ

  1. 質問は作文じゃない。材料(コード・エラー文)を渡すことが何より大事
  2. 「やりたいこと・現状・コード」の3点セットで聞く
  3. エラー文は訳さずそのままコピペする
  4. 「初心者向けに」と注文をつけ、分からなければ続けて聞く
  5. 話題が変わったら新しいチャットで。1つの会話に1つのテーマ
  6. 期待していたことと実際に起きたことを分けて書くと、原因が一発でしぼれる
  7. 答えをもらうだけでなく、レビュー・練習問題づくり・たとえ話にも使う

聞き方は、聞くたびにうまくなります。まずは今日のつまずきを、3点セットで聞いてみてください。

よくある質問

質問はきれいな文章で書かないとダメですか?
ダメじゃないです。箇条書きでも、単語の羅列でも通じます。文章のうまさより、コードやエラー文といった「材料」を渡すことの方がずっと大事です。
AIの答えが難しすぎて分かりません。
「初心者にも分かるように説明して」「もっとかんたんな言葉で」と続けて頼めば、言い直してくれます。分かるまで何度でも聞き直していいのがAIの良いところです。
何を聞いてもいいんですか?
学習に関することなら何でも聞いてOKです。ただし本名・住所・パスワードなどの個人情報は書かないこと。また、学校の課題を丸投げして写すのは自分の力にならないので、「考え方を教えて」と聞くのがおすすめです。