べんりワザ・WordPressのカスタムフィールド(ACF・SCF)

ACFとSCF、どっちを入れればいい?

WordPressのカスタムフィールドプラグイン、ACFとSCFの違いを整理。プラグイン検索で入るのはSCF、調べものは情報の多いACFでOK——迷いがちな選び方を3分で解決します。

WordPressでカスタムフィールドを強化しようとすると、ACFSCFという2つの名前に出会って混乱します。結論から——管理画面のプラグイン検索から入れられるのはSCFで、まずはそれでOK。中身と使い方はほぼ同じなので、調べものは情報量の多い「ACF」で検索すれば大丈夫です。

テーマ開発カスタムフィールドで商品情報を持たせるそもそもカスタムフィールドって何?という人は、テーマ開発コースのこの回から

なぜ「ほぼ同じもの」が2つあるの?

もともとこの分野の定番は、ACF(Advanced Custom Fields)という一強のプラグインでした。ところが2024年、WordPressの運営側とACFの開発元(WP Engine社)が対立。その結果、WordPress公式のプラグイン配布所にあったACF(無料版)が、運営側の手でSCF(Secure Custom Fields)という名前に引き継がれました。

つまりSCFは、ACFから枝分かれした「分家」。生まれた経緯はもめごとですが、プラグインとしての中身は同じ流れをくんでいて、しかもACFでは有料だった高度な機能まで無料でそろっているのが特徴です(くわしくは後述)。

  • SCF——WordPress公式配布所で配布。管理画面の検索でそのまま入れられる
  • ACF——開発元WP Engineが継続開発。公式サイトからzipをダウンロードして入れる方式

違いを一覧で

SCFACF
入手方法管理画面の「プラグイン」検索公式サイトからダウンロード
料金完全無料無料版+有料のACF PRO
開発元WordPress公式コミュニティWP Engine
管理画面の操作ほぼ同じほぼ同じ
the_field()などの関数互換互換
くり返し・柔軟コンテンツなど高度なフィールド無料で使える有料のACF PROが必要

いちばん大きな実用上の違いは入手方法です。そしてうれしいことに、ACFでは有料のACF PROを買わないと使えない高度な機能——くり返しフィールド(同じ入力欄のセットを何個でも増やせる機能)や柔軟コンテンツ、ギャラリー、オプションページなど——が、SCFには最初から無料で入っています。SCFはこうしたPRO相当の機能を含む形で枝分かれしたので、料金の面ではSCFのほうがむしろお得です。

どっちを使う?——判断はシンプル

  • 学習中・自分のサイトSCF。検索して入れるだけ。くり返しフィールドなど高度な機能まで無料でそろう
  • 仕事の案件で「ACFで」と指定された→指定どおりACF(公式サイトから入手。高度な機能を使うならACF PRO)
  • WP Engineの公式サポートや、いち早く最新機能を使いたいACF PRO(有料)を検討

なお、2つは同時には使えません。同じ名前の関数を持つため、SCFを有効化するとACFは自動で無効化されます。

調べるときは「ACF」で検索してOK

SCFは登場してまだ日が浅く、解説記事の数はACF名義のほうが圧倒的です。でも心配いりません。管理画面の操作も、テンプレートに書くthe_field('price')のような関数も互換なので、「ACF 使い方」「ACF 画像フィールド」などで検索して出てきた記事は、SCFでもほぼそのまま再現できます

画面の細部(プラグイン名の表示など)が記事とちょっと違っても、あわてなくて大丈夫。それは名前の違いであって、機能の違いではありません。

PRO限定の機能も、SCFならそのまま使える

ここが多くの人の勘違いポイントです。ACFの記事を読むと「くり返しフィールド(Repeater)」「柔軟コンテンツ(Flexible Content)」「ギャラリー」といった機能が、しばしば「これはACF PRO(有料版)が必要」と書かれています。

でも、それはACF(WP Engine版)の話SCFにはこれらの機能が最初から無料で入っているので、PRO前提で書かれた記事の手順も、SCFならそのまま再現できます。

  • ACFの無料版 → くり返しフィールドなどは使えず、有料のACF PROが必要
  • SCF → 同じ機能が無料で使える

だから「これはPRO機能だから自分のSCFでは無理かも…」とあきらめる必要はありません。むしろ、無料で高度なフィールドまで一通り試せるのがSCFの強みです。

記事を読むときに読み替える言葉

ACF名義の記事をSCFで再現するとき、名前だけが違って中身は同じ、というものがいくつかあります。読み替え表を持っておくと止まりません。

記事に書いてあることSCFでは
プラグイン名「Advanced Custom Fields」「Secure Custom Fields」
管理画面のメニュー「ACF」「カスタムフィールド」
「ACF PROが必要」そのまま無料で使える
the_field() / get_field()まったく同じ(変更なし)
have_rows() / the_row()まったく同じ(変更なし)

関数名に acf が残っているのは互換のためで、SCFでもそのまま動きます。関数名は読み替え不要、と覚えておけば十分です。

乗り換えの手順

「学習中はSCFで始めて、仕事の案件でACFに」という流れは実際によくあります。手順は数分で終わります。

  1. 入力済みの内容をバックアップしておく(念のため。データベースのエクスポートか、レンタルサーバーのバックアップ機能で十分)
  2. 新しく使うほうのプラグインを追加する(ACFなら公式サイトのzipを「プラグインのアップロード」から)
  3. 有効化する——同じ名前の関数を持つため、もう片方は自動で無効化されます
  4. 管理画面でフィールドの設定と入力値が残っているか確認する

フィールドの定義も入力済みの値も同じ形式で保存されているので、テンプレート側のコードは1行も直さなくて済みます

更新のされ方が違う

日々の運用で差が出るのはここです。

  • SCF——WordPress公式の配布所に載っているので、管理画面の「更新」から他のプラグインと同じように更新できます。自動更新をオンにもできます
  • ACF(無料版)——公式サイトからzipをダウンロードして入れ直す形。更新の通知は管理画面に出ますが、手作業が発生します

「更新を止めない」はセキュリティの基本なので、特に指定がないならSCFが運用面でも楽です。

べんりワザ目的別・WordPressおすすめプラグイン13選そのほか目的別に「まず入れるプラグイン」をまとめました

どんなフィールドが作れる?

どちらでも、入力欄の種類は同じようにそろっています。よく使うものだけ挙げます。

  • テキスト・テキストエリア——短い一言、長めの説明
  • 画像・ファイル——選ぶとメディアライブラリが開きます
  • 選択・チェックボックス・ラジオボタン——決まった候補から選ばせる
  • 日付——カレンダーから選ばせる
  • くり返し(Repeater)——同じ入力欄のセットを何個でも増やせる
  • 柔軟コンテンツ——ブロックの種類を選んで積み上げられる
べんりワザACFフィールド別・表示の書き方早見表フィールドごとの「テンプレートでの出し方」は早見表にまとめてあります

まとめ

  1. SCFはACFから枝分かれしたプラグイン。管理画面のプラグイン検索で入れられるのはSCF
  2. くり返しフィールドなど、ACFでは有料のPROが必要な高度な機能もSCFなら無料。学習・個人サイトはSCFで十分
  3. 調べものは情報量の多い「ACF」で検索——PRO前提の記事でもSCFでほぼそのまま再現できる
  4. get_field() などの関数名は読み替え不要。違うのはプラグイン名とメニュー名だけ
  5. 更新のしやすさもSCF有利——管理画面からそのまま更新できる

名前の違いに身構えず、「中身は同じ仲間」と分かっていれば、どちらの情報も自分の武器にできます。

よくある質問

ACFとSCFはどちらを使えばいいですか?
管理画面の「プラグイン」→「新規追加」の検索からそのまま入れられるのはSCFです。まずはSCFで問題ありません。仕事の案件で「ACFで」と指定された場合は、開発元WP Engineの公式サイトからACFをダウンロードして使います。
SCFの使い方を調べたいのに、検索するとACFの記事ばかり出てきます
それで大丈夫です。SCFはACFの無料版から枝分かれしたプラグインで、管理画面の操作もthe_field()などの関数もほぼ同じ。ACFの解説記事や本の内容は、SCFでもほぼそのまま使えます。
ACFとSCFを同時に入れられますか?
できません。中身がほぼ同じ(同じ名前の関数を持つ)ため、SCFを有効化するとACFは自動で無効化されます。どちらか片方だけを使います。
あとからSCFとACFを乗り換えたらデータは消えますか?
消えません。フィールドの設定や入力済みの値は同じ形式でデータベースに保存されているので、片方を無効化してもう片方を有効化すれば、そのまま引き継がれます。