WordPressでカスタムフィールドを強化しようとすると、ACFとSCFという2つの名前に出会って混乱します。結論から——管理画面のプラグイン検索から入れられるのはSCFで、まずはそれでOK。中身と使い方はほぼ同じなので、調べものは情報量の多い「ACF」で検索すれば大丈夫です。
テーマ開発カスタムフィールドで商品情報を持たせるそもそもカスタムフィールドって何?という人は、テーマ開発コースのこの回からなぜ「ほぼ同じもの」が2つあるの?
もともとこの分野の定番は、ACF(Advanced Custom Fields)という一強のプラグインでした。ところが2024年、WordPressの運営側とACFの開発元(WP Engine社)が対立。その結果、WordPress公式のプラグイン配布所にあったACF(無料版)が、運営側の手でSCF(Secure Custom Fields)という名前に引き継がれました。
つまりSCFは、ACFから枝分かれした「分家」。生まれた経緯はもめごとですが、プラグインとしての中身は同じ流れをくんでいて、しかもACFでは有料だった高度な機能まで無料でそろっているのが特徴です(くわしくは後述)。
- SCF——WordPress公式配布所で配布。管理画面の検索でそのまま入れられる
- ACF——開発元WP Engineが継続開発。公式サイトからzipをダウンロードして入れる方式
違いを一覧で
| SCF | ACF | |
|---|---|---|
| 入手方法 | 管理画面の「プラグイン」検索 | 公式サイトからダウンロード |
| 料金 | 完全無料 | 無料版+有料のACF PRO |
| 開発元 | WordPress公式コミュニティ | WP Engine |
| 管理画面の操作 | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
the_field()などの関数 | 互換 | 互換 |
| くり返し・柔軟コンテンツなど高度なフィールド | 無料で使える | 有料のACF PROが必要 |
いちばん大きな実用上の違いは入手方法です。そしてうれしいことに、ACFでは有料のACF PROを買わないと使えない高度な機能——くり返しフィールド(同じ入力欄のセットを何個でも増やせる機能)や柔軟コンテンツ、ギャラリー、オプションページなど——が、SCFには最初から無料で入っています。SCFはこうしたPRO相当の機能を含む形で枝分かれしたので、料金の面ではSCFのほうがむしろお得です。
どっちを使う?——判断はシンプル
- 学習中・自分のサイト→SCF。検索して入れるだけ。くり返しフィールドなど高度な機能まで無料でそろう
- 仕事の案件で「ACFで」と指定された→指定どおりACF(公式サイトから入手。高度な機能を使うならACF PRO)
- WP Engineの公式サポートや、いち早く最新機能を使いたい→ACF PRO(有料)を検討
なお、2つは同時には使えません。同じ名前の関数を持つため、SCFを有効化するとACFは自動で無効化されます。
調べるときは「ACF」で検索してOK
SCFは登場してまだ日が浅く、解説記事の数はACF名義のほうが圧倒的です。でも心配いりません。管理画面の操作も、テンプレートに書くthe_field('price')のような関数も互換なので、「ACF 使い方」「ACF 画像フィールド」などで検索して出てきた記事は、SCFでもほぼそのまま再現できます。
画面の細部(プラグイン名の表示など)が記事とちょっと違っても、あわてなくて大丈夫。それは名前の違いであって、機能の違いではありません。
PRO限定の機能も、SCFならそのまま使える
ここが多くの人の勘違いポイントです。ACFの記事を読むと「くり返しフィールド(Repeater)」「柔軟コンテンツ(Flexible Content)」「ギャラリー」といった機能が、しばしば「これはACF PRO(有料版)が必要」と書かれています。
でも、それはACF(WP Engine版)の話。SCFにはこれらの機能が最初から無料で入っているので、PRO前提で書かれた記事の手順も、SCFならそのまま再現できます。
- ACFの無料版 → くり返しフィールドなどは使えず、有料のACF PROが必要
- SCF → 同じ機能が無料で使える
だから「これはPRO機能だから自分のSCFでは無理かも…」とあきらめる必要はありません。むしろ、無料で高度なフィールドまで一通り試せるのがSCFの強みです。
記事を読むときに読み替える言葉
ACF名義の記事をSCFで再現するとき、名前だけが違って中身は同じ、というものがいくつかあります。読み替え表を持っておくと止まりません。
| 記事に書いてあること | SCFでは |
|---|---|
| プラグイン名「Advanced Custom Fields」 | 「Secure Custom Fields」 |
| 管理画面のメニュー「ACF」 | 「カスタムフィールド」 |
| 「ACF PROが必要」 | そのまま無料で使える |
the_field() / get_field() | まったく同じ(変更なし) |
have_rows() / the_row() | まったく同じ(変更なし) |
関数名に acf が残っているのは互換のためで、SCFでもそのまま動きます。関数名は読み替え不要、と覚えておけば十分です。
乗り換えの手順
「学習中はSCFで始めて、仕事の案件でACFに」という流れは実際によくあります。手順は数分で終わります。
- 入力済みの内容をバックアップしておく(念のため。データベースのエクスポートか、レンタルサーバーのバックアップ機能で十分)
- 新しく使うほうのプラグインを追加する(ACFなら公式サイトのzipを「プラグインのアップロード」から)
- 有効化する——同じ名前の関数を持つため、もう片方は自動で無効化されます
- 管理画面でフィールドの設定と入力値が残っているか確認する
フィールドの定義も入力済みの値も同じ形式で保存されているので、テンプレート側のコードは1行も直さなくて済みます。
更新のされ方が違う
日々の運用で差が出るのはここです。
- SCF——WordPress公式の配布所に載っているので、管理画面の「更新」から他のプラグインと同じように更新できます。自動更新をオンにもできます
- ACF(無料版)——公式サイトからzipをダウンロードして入れ直す形。更新の通知は管理画面に出ますが、手作業が発生します
「更新を止めない」はセキュリティの基本なので、特に指定がないならSCFが運用面でも楽です。
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どちらでも、入力欄の種類は同じようにそろっています。よく使うものだけ挙げます。
- テキスト・テキストエリア——短い一言、長めの説明
- 画像・ファイル——選ぶとメディアライブラリが開きます
- 選択・チェックボックス・ラジオボタン——決まった候補から選ばせる
- 日付——カレンダーから選ばせる
- くり返し(Repeater)——同じ入力欄のセットを何個でも増やせる
- 柔軟コンテンツ——ブロックの種類を選んで積み上げられる
まとめ
- SCFはACFから枝分かれしたプラグイン。管理画面のプラグイン検索で入れられるのはSCF
- くり返しフィールドなど、ACFでは有料のPROが必要な高度な機能もSCFなら無料。学習・個人サイトはSCFで十分
- 調べものは情報量の多い「ACF」で検索——PRO前提の記事でもSCFでほぼそのまま再現できる
get_field()などの関数名は読み替え不要。違うのはプラグイン名とメニュー名だけ- 更新のしやすさもSCF有利——管理画面からそのまま更新できる
名前の違いに身構えず、「中身は同じ仲間」と分かっていれば、どちらの情報も自分の武器にできます。