作ったHTMLを大きく直す前に、念のためindex_backup.htmlをコピーしたことはありませんか。Gitは、そのコピーを自動で・きれいに・何回でもやってくれる道具です。この回では、Gitが何を記録しているのかと、よく混同されるGitHubとの違いをはっきりさせます。
ファイル名バックアップの限界
手作業のバックアップは、すぐにこうなります。
index.html
index_backup.html
index_backup2.html
index_最終.html
index_最終_ほんとの最終.html数日たつと、どれが最新なのか・何を変えたのかが誰にも分からなくなります。しかも変更したのが1文字でも、ファイルまるごとのコピーが増えていきます。
Gitはこの問題を、ファイルを増やさずに「変更の履歴」だけを記録するというやり方で解決します。
Gitは「そのときの状態」に名前をつけて記録する
Gitで記録することをコミットと言います。コミットすると、そのときのフォルダの中身がまるごと記録され、あわせて「何をしたか」の一言メッセージが残ります。
コミット3 ← いま 「フォームに送信メッセージを追加」
コミット2 「すきなものリストを追加」
コミット1 「ページの骨組みを作った」うれしいのは、あとから次のことができるようになる点です。
- 前の状態に戻せる——「変えたら動かなくなった」を、コミット1つぶん巻き戻して解決できる
- 何をしたか思い出せる——履歴にメッセージが残るので、1か月後の自分が助かる
- 安心して大きく直せる——記録があるので、思いきった作りかえに手を出せる
GitとGitHubは別のもの
ここが最初のつまずきポイントです。名前は似ていますが役割が違います。
| Git | GitHub | |
|---|---|---|
| 何か | 変更を記録する道具(ソフト) | 記録を置いておく場所(Webサービス) |
| どこで動く | 自分のパソコンの中 | インターネットの向こう側 |
| ないと困ること | 履歴が残らない | 手元のパソコンが壊れると全部消える |
| 料金 | 無料 | 個人利用は無料 |
Gitだけでも履歴は残せます。GitHubに置くと、バックアップになり・他の人と共有でき・そのままサイトとして公開もできるようになります。

覚える言葉は最初は3つだけ
Gitの用語は多く見えますが、はじめのうちに必要なのはこれだけです。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| リポジトリ | 履歴を記録するフォルダのこと。「このフォルダをGitで管理する」と決めた単位 |
| コミット | そのときの状態を記録すること。またはその記録1つぶん |
| プッシュ | 手元の記録をGitHubへ送ること |
この3つが分かっていれば、次の回から出てくるコマンドの意味はつながります。
このレッスンのまとめ
- Gitは変更を記録して、いつでも前に戻せるようにする道具。手元のパソコンで動く
- 記録の単位がコミット。メッセージ付きで「そのときの状態」がまるごと残る
- GitHubはその記録を置くWebサービス。バックアップ・共有・公開ができるようになる